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無償返還の届出+通常の地代方式

 個人の土地の上に法人が建物を所有する場合の権利関係の1つに無償返還の届出+通常の地代方式があります。

 建物の所有を目的として土地を賃貸する場合には、借地権の設定料を支払うのが一般的です。しかし、同族会社が個人の土地に建物を所有する場合に、高額な借地権の設定料を支払うのは現実的ではありません。
 そこで土地所有者の納税地の所轄税務署長に土地の無償返還の届出を提出します。
 これによれば、法人は賃貸契約解除時に無償で土地を個人に返還することになるので、借地権の設定料の支払が必要なくなります。

 この場合に支払われる「通常の地代」とは一般的に固定資産税等の3~5倍といわれています。
 固定資産税等を負担させるだけでは「使用貸借」とみなされてしまいますので地代の額には気を使わなければなりません。

 「相当の地代方式」が土地の時価の6%もの高額の地代が必要となるのに比べ、法人が支払う地代が少なくて済むので所得の分散による節税効果を上げるために無償返還の届出+通常の地代方式は有効です。

 ただし、法人の株式を評価する場合には、借地権として土地価格の20%を計上しなければならない点に注意して下さい。
 逆に言えば、借地権の設定料の支払いなく、土地価格の20%を法人に移転させることができるので、相続対策として個人所有の土地の上に法人所有の建物を建築することも有効です。(個人所有の建物を建築した場合の貸家建付地評価は一般に18%減程度)
 

投稿者: 日時: 2006年11月24日 09:00 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ

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コメント (2)

花月:

 無償返還をだしても、相当の地代と通常の地代との差額は贈与として取り扱うとありますけど。こちらの事務所は通常の地代でいけるという判断なんですね。税務って難しいですね。

(権利金の認定見合せ)
13-1-7 法人が借地権の設定等により他人に土地を使用させた場合(権利金を収受した場合又は特別の経済的な利益を受けた場合を除く。)において、これにより収受する地代の額が13-1-2に定める相当の地代の額に満たないとき(13-1-5の取扱いの適用があるときを除く。)であっても、その借地権の設定等に係る契約書において将来借地人等がその土地を無償で返還することが定められており、かつ、その旨を借地人等との連名の書面により遅滞なく当該法人の納税地の所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長。以下13-1-14までにおいて同じ。)に届け出たときは、13-1-3にかかわらず、当該借地権の設定等をした日の属する事業年度以後の各事業年度において、13-1-2に準じて計算した相当の地代の額から実際に収受している地代の額を控除した金額に相当する金額を借地人等に対して贈与したものとして取り扱うものとする。
 使用貸借契約により他人に土地を使用させた場合(13-1-5の取扱いの適用がある場合を除く。)についても、同様とする。(昭55年直法2-15「三十一」により追加、平15年課法2-7「四十八」により改正)

(注)

1 本文の取扱いを適用する場合における相当の地代の額は、おおむね3年以下の期間ごとにその見直しを行うものとする。この場合において、13-1-2の(注)1中「借地権の設定等の時」とあるのは「当該事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)開始の時」と読み替えるものとする。

2 当該法人が連結納税基本通達16-1-7《権利金の認定見合せ》の取扱いによる届出を行っていた場合についても、本通達の適用がある。

Posted by: 花月 | 2010年07月22日 21:00

税理士 志賀公斗:

花月さん コメントありがとうございます。
コメント欄はあまり使用しておりませんので問い合わせはメール等でお願いできればと思います。

さて花月さんのご指摘の条文は法人税法のものですね。
確かに「土地の所有者が法人」であれば、おっしゃる通りです。

しかし、この記事では最初に「個人の土地」としてあります。
通常、地主さんは土地を個人名義で保有しているものであり、そのような状況を前提として記事にさせて頂いたものです。
ご指摘の条文も最初に「法人の土地を~」とありますよね。
条文解釈はデリケートですから前提条件をしっかりと読み込みましょう。

従って、この記事の内容で間違いありません。

Posted by: 税理士 志賀公斗 | 2010年07月22日 21:34

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